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被災者支援ネットワーク釧路の事業運営は、北海道新聞社会福祉振興基金,被災者受け入れ支援基金,公益法人コープさっぽろ福祉基金及び北海道NPOファンド助成金によって賄われています。
12月29日巷論
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    釧路新聞 巷論
    平成23年12月29日掲載分

    「老いよりも怖いこと」

      忘却と飽きと無関心は大敵
     

     
     「老いほど怖い鬼は無し」と昔から言われてきた理由は、死期というものが年功序列で訪れることが約束されていたためだ。子が親よりも先に亡くなるなどは、とんでもない親不孝だ。しかし、本年は被災地に逆縁は多く起こったのだろうと想像するに易い。更に、福島原発事故以降、放射能の拡散が現実のものとなり、若年層への影響が懸念されている。核の拡散によって「死が順番に巡ってくるとは約束されない状況」を招いてしまったからだ。放射能に汚染された食材は、別な地域を経由することで産地を偽装されたり、加工によって判別が難しくなり、結果、日本中に汚染食品が流通するようになってしまった。長年に渡って蓄積される放射能による体内被曝や、外側からも積算される低線量被爆によって、今後、弱年齢層にどのような疾病が出てくるかと考えずにはいられない。実際に目の前にある命が病を得た場合でさえ、その関連性や影響を推察することも結果も見えずらい。チェルノブイリ事故以後の25年の間に出生率が激減したベラルーシのように、「生まれてくるはずだった命を放射能の被害者としてカウントすること」は更に難しいだろう。災害後、しばらくは飲料水や食品に気を配っていた関東エリアの友人知人も秋になると、まるで災害があったことをさえ忘れたかのように振る舞い始め、注意を怠って暮らし始めた。放射能汚染地図で警告を促されている地域でも子ども達はマスクの着用もせず、安く流通している食べ物を配慮無く与えられている。放射能への心配を「神経質すぎる」と揶揄する動きもあるが、その安易な認識は後々、更に深刻な問題を産むだろう。人類は様々な負の遺産を抱えてしまったけれど、放射能は一番手に負えない。見えない敵の大きさを理解する知的水準と想像力を要するからだ。殊更悩ましい問題から目をそらし楽をしようとする、まだあの大災害から一年も経っていないというのに、起こった現実さえ忘れようとする浅ましさよ! 老いよりも怖いことは忘却や飽きであり無関心である。年の瀬の巷論に、今年を振り返り「しんみりと涙で綴る気持ち」になどなれない。

     画家・美術講師 
     被災者支援ネットワーク釧路事務局長
     マシオン恵美香(ましおんえみか)

    posted by: マシオン恵美香 | 関連新聞記事 | 02:14 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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